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ラプラスの書§1-7

これにて§1は終了。
思っていた以上に長くなってしまいました。

最初は軽くSSぐらいのつもりだったんですが・・
大概、物事を難しく考えすぎたりムダに設定に凝ったりしてしまうんですよねぇ
後々設定で縛られたりネタがなくなったりして痛い目を見るんですが。
余裕があれば思ったままSSとかも描いてみたいですね。

よろしければご感想等お待ちしております。

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マクスウェルの箱

【7】
「ん・・・」
「気がついたか?」
「あっ!」
 はるかは気を失う直前の記憶を思い出したのだろう、慌てて辺りを見回す。
「あれ、あのお化けは?・・・」
「さあな、夢でも見てたんじゃないか?」
 俺はとぼけてそういった。
 はるかも思い出したくもないのか、それ以上詮索することはなかった。
「もうお札を貼ったから大丈夫だ」
 それぞれ教室の四隅の目立たない所にお札を貼っておいた。とりあえずはこれで霊気がここに集まることを防ぐことができるだろう。
 いずれ学校全体の霊力の流れを調べて、他にもこういった場所がないか確認しないとな。
「ん、これ?」
 はるかはいつの間にか俺のジャンパーを羽織っていたことに気づく。
「そんな格好させて悪かったな。冷えるだろ?」
 照れ臭くなって視線を外しながらそう答える。
 上着の小袖にほとんど保温効果はないし、袴は嫌にスースーするんだもの。
「あ、ありがと・・」
「さ、行くぞ」
 
「ひゃっ!」
 後から声を掛けると木津は盛大に驚いた。
 最初の集合場所である校門の電灯の下に木津はいた。
 おおかた電灯の下まで来たはいいが、そこから動けずにただ俺たちの帰りを待っていたのだろう。
「あ、お疲れー」
 俺たちだとわかるとまるで何事も無かったかのようにそういった。
「なんだよ、炭火であぶって美味しくいただくんじゃなかったのか?」
「ごめーん、わたしったらびっくりしちゃって。はるかも大丈夫だった?」
 そのままはるかに抱きつき、なにか耳打ちをする。
「はるか、うまくやったんでしょうね?せっかくチャンス作ってあげたんだから」
「もー、かのちゃん!こっちはそれどころじゃなかったんだから」
「もしかして、本当に出たとか?」
 先ほどまでの恐怖はどこへいったのか、すでに木津の目には好奇心の輝きが宿っている。
「いや、こいつの仕業だよ」
 はるかの腕に抱かれて寝息を立てている猫を見せる。
 霊力の消耗が激しいものの、幸い大事には至っていないようだった。
「なーんだ。まあ、そんなものよねぇ」
 ひとしきり猫を見回した木津ががっかりしたように呟く。
 木津がそいつの正体を知ったらどう思うだろうか。
 だが、ここで真実を語るべきではないだろう。
 新聞部の木津の手によって学校中に変な噂が立つのは火を見るより明らかだ。場合によっては大人まで関心を寄せかねない。
 その噂を聞きつけた興味本位の野次馬が今回のような事態に遭遇したら、まず対処できないだろう。
 事実、危なかった。
 結果的に何とかなったものの、それも奇跡的としか言いようが無い。
 あのインプは確実に俺の実力を凌駕していた。
 下手をすれば間違いなく魂を食われていただろう。
「写真は良かったのか?」
 木津が更なる詮索をする前にさりげなく話題を変える。
 結局、木津は校内の写真は全然撮っていなかった。
「うん、満足満足。なかなかお祭りのときは撮れないんだよね」
 木津はそういって思い出したようにカメラのプレビューをチェックする。
 そのすべてがはるかの巫女姿だ。
 しかし最近のデジカメは凄いね、夜中に電灯の明かりだけでも綺麗に撮れている。
「おまえははるかの巫女姿が目的だったのか?」
「うん」
 あっけらかんとそう答えられてしまっては、俺としても返す言葉が無い。
「それに下手に夜の学校なんかで写真撮って、もし心霊写真とか撮れちゃったら怖いじゃない?」
 そりゃ、途中で逃げ出すほどだもんな。
 それほど怖がりなら最初からついてこなきゃいいのに。
「欲しいならユウにも売ってあげるよ?」
 確かに成長に伴ってはるかの巫女姿は年々様になってきている。
 木津の写真のテクニックもあいまって表示されているはるかの姿はとても神秘的だった。
「もー、かのちゃん!」
 つい真剣に見入ってしまった俺からはるかがデジカメを取り上げる。
「去年の体育祭の時みたいに男子に売りつけるんでしょ?」
「そうそう。なかなか巫女姿なんてレアだから、かなりの売り上げが期待できるわよ」
「もー、男子がみんな私の写真持ち歩いてて気持ち悪いからやめてって言ったじゃないのよ」
「いいじゃないのよ、ちゃんとはるかにもモデル料渡したでしょ?」
「そういう問題じゃないの!」
 そういいながら、はるかはカメラを操作してデータを消去。
「あーあ、もったいない。結構人気なのよ?はるかの写真」
 心の中で残念がる木津に少し同意する。あの写真は上手く撮れていたと思うんだがな。

 それから三人で家路に向かう。
 久しぶりに昔のことを三人で話した。
 雲の晴れた夜空は月が輝き、夜を蒼く照らしている。
 今日の冒険劇はきっといい思い出になるだろう。

 途中で木津と別れて、二人で家への道を歩く。
 二人になるとあまり話さなくなった。
 ついにはあまり会話もないまま、俺の家の前まで来てしまった。
「今日はありがとう・・」
「ああ、少しは役に立てたか?」
「うん、助かったよ。いままで馬鹿にしてゴメン」
 そんな他愛もない会話が続く。
 なんだか二人とも離れがたい雰囲気だった。
「あのね、ゆーくん・・・」
 数秒の沈黙の後、意を決したようにはるかが口を開いた。
「私・・・」
 俯いたはるかの口から搾り出すように震えた声が夜に響く。
「貸しだかんな?」
 はるかがその先を言う前に、俺はそう言っていた。
 つくづく酷い男だと自分でも思う。
 はるかは驚いたように顔上げて、
「・・・うん!」
 にっこりとそう言った。
 いつか、ちゃんと俺から伝えるから。
 去っていく後姿に俺はそう心に決めて、はるかと別れた。 
 
「おはよ~」
「なんだか眠そうだな」
 いつもの時間に家に来たはるかの目の下にはくっきりとクマが出来ている。
 あれだけの霊力を一晩で使ったのだから当然だ。
「そう言うゆーくんだって、なんかボロボロだよ」
 俺の目の下にもはるかにも負けない、むしろそれ以上のクマがくっきりと出来ている。
 もともと霊力の容量は俺のほうが断然少ない。しかもその全てをほとんど使い切ってしまったため、今は鉛のように体が重い。
 今日は体育の授業が無いのがせめてもの救いだ。
「ニャー」
「あ、昨日の猫ちゃんだ」
 いつのまにか塀のところに昨日の猫が座っていた。
 お、ちゃんと見送ってくれるのか。感心感心。
「ああ、ウチで飼うことにしたんだ」
 猫は軽い身のこなしで塀から飛び降りると、はるかの足元まで歩み寄る。
 はるかはそれを優しく抱き上げる。
「キミ~。よかったねぇ」
 そのまますりすりと頬を寄せる。
 ちっ、はるかか目当てだったか。
「名前は決めたの?」
「ああ、アルキメデス」
「変な名前~。猫がかわいそうだよ」
 一応、本人も気に入ったって言ってたんだけどな。
「そういえば、昔教室でメダカ飼ってたときも勝手に『ピタゴラス』とか変な名前つけてたよね」
「格好いいじゃないか、なんか頭良さそうで」
「まあいいや」
 はるかはアルキメデスの両脇を抱えて、じっくりとその顔を覗き込む。
「わたし、はるかっていうの。よろしくね、アルちゃん」
「ニャー」
 アルキメデスは甘えるようにそう鳴くと、気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らす。
 おい、顔が近いぞ。ちょっとは主人に気を使えよ。
 少し羨ましい気もしたが、使い魔に嫉妬するのは大人気ない。
「置いてくぞ」
「あーん、待ってよ」
 はるかは塀のところにアルキメデスを乗せる。
「じゃあね、アルちゃん。いってきます」
 塀の上でちょこんと座っているアルキメデスに手を振りつつ、はるかが駆けてくる。

 山間からのぞく太陽の光は今日も眩しく、木々を鮮やかに照らしている。
 今日は暖かい日になりそうだ。
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No title

どうもお初にコメント致します、奇人です。
作品を通して読ませてもらいました。
これは久々にTS小説に読み入りました!最近は画像入りのものばかり見ていたんですが、この小説は基本を押さえつつ面白いオリジナルを自然に入れたいい作品だと思います。
文体もしっかりしていて好感が持てました。
ラブあり事件ありなこの話の続きが楽しみです、頑張って続けて欲しいです!
では、さらば!

Re: No title

はじめまして奇人さん。
コメントありがとうございます!
読んでいただけた上に感想もいただけるなんて。もう、感謝感激です。
話自体が長いわりにTS要素があまりないので、読んでもらえるか自体心配だったのですが
気に入っていただけたようで、とても嬉しいです。

この先も自分に出来ることをカタチにしていければと思います。
これからもご意見ご感想、リクエスト等ありましたらお気軽にどうぞ。
プロフィール

eta

Author:eta
まあ、適当に。

当ブログはTS(性転換)及び性的描写を取り扱います。
18歳未満の方、興味の無い方の閲覧はご遠慮下さい。

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